ひらがなはいつまでに習得すべき?データと現状から分析

ひらがなはいつまでに習得すべきでしょうか。

結論から伝えると、小学校入学前までにはある程度の読み書きができることがおすすめです。

周りを見渡してみると、赤ちゃんの頃からひらがなを教えるママもいれば、幼稚園、保育園にあがり、他の子がひらがなを書いている姿をみると焦ってしまうママも多いのではないでしょうか。

ここでは文部省の調査と、実際の私たちが運営するスクールの様子や、子どもの現状を踏まえながら、いつまでにひらがなを習得した方がよいのかお伝えしたいと思います。

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執筆者

いくみん先生

自身の留学経験をもとに英語教室・学習塾を立ち上げる。結婚・出産を経てバリバリ働きながらの自身の育児に悩む。

常にイライラし子どもに八つ当たりをする毎日から変わろうと子どものことを学び始めたところ育児が楽しく、そして楽になった。

その経験をもとに幼児教室を立ち上げ、これまで約50年、5万にを超える親子を指導。現在これまでのノウハウを体系化し、すくベビ主催パパとママのための子育てスクールをオンラインて提供中。

著者に『子育てに成功するお母さん、失敗するお母さん』(文芸社)などがある。

(noe:【すくベビ主催】子育てスクール生実績

目次

①年長の時点で男女共に90%がひらがなが読める

文部科学省「平成24年度幼児教育実態調査」をみてみましょう。

自分の名前を読める率

自分の名前を読める子どもは、女子の方が高いのですが、成長と共に率が上がっています。

かな文字を読める率

かな文字を読めるかどうかでは、自分の名前が読めるかどうかより率がぐっと下がりますが、こちらも成長と共に率が上がっていきます。

自分の名前をひらがなで書ける

自分の名前をひらがなで書けるかでは、上記のように調査結果がでました。

参考:文部科学省「平成24年度幼児教育実態調査」

世の中にはたくさんの幼児教育法がありますが、その中の一つ、モンテッソーリ教育でも文字の敏感期(もじに興味がわく時期)は3歳から6歳と言われています。

上記の調査とほぼ一致しますね。

子ども達は基本的に自分に関係のあることから吸収していきます。

普段の生活の中で自分の名前は一番呼ばれる回数が多く、自分の名前がひらがなでどう書くのか、どれが自分の文字なのかなど興味を持ちやすいからです。

このようにひらがなは

  1. 読む
  2. 書く
  3. 認識し、読解する

この順番で学習が進みます。

日本で生まれて小学校に進学すれば、小学3年生までに、ほとんどの子がひらがなが読み書きできるようになります。

それでは小学校に入るまで特に何もしなくても大丈夫なのでしょうか。

長年0歳から15歳の子ども達に関わっていますが、結論から言うと、もじに関しては早く習得しておいた方がいいです。

なぜなら、

  1. 子どもの興味や可能性を大きく広げる
  2. 自立へ繋がる
  3. 自己肯定感が高くなる

1つずつ説明していきますね。

①子どもの興味や可能性を大きく広げる

個人差はありますが、子どもはある時期になると、「なんで空は青いの」などと「なんで、どうして」とたくさんの質問をすることがあります。

このように子ども達は、自分の興味を持ったことに対して知的欲求を満たしたいという欲求をもっています。

そんな時期に自分で文字を読めるようになると、図鑑をみて名前を覚えたりと自分でどんどん学び始めます。

例えば乗り物に興味がある子どもは、名前を自分で読めて、文字が書けると誇らしげに「ママ、みて」と自慢する子どもも多いのではないでしょうか。

このように自分一人でできたという経験は、子どもが自ら学ぶことが楽しくなり、学習のサイクルを作り上げます。

②自立につながる

興味を持ったことについて、自分で調べ、文字を読み、学習することは子ども達の興味の幅を大きく自立につながります。

文字が読める前までは、絵本を読んでもらったりと何かと受け身だった子ども達が、文字を学ぶことで自立につながります。

③自己肯定感が高くなる

親が何かを教えることよりも、「自分一人の力でできた」という経験は、子ども達の自己肯定感を高くします。

自己肯定感は親が教えることができない概念の一つで、子ども達が自身の経験や体験から学習するものです。

自分で学び、知的欲求を自分で満たし、自分で学ぶことができる子どもは、何事に対しても前向きに取り組めるようになります。

②なぜ小学校入学前までに習得すべきなのか

先日、私たちが運営するスクールに年中の男の子とお母さんが問い合わせしてきました。

そのお母さんの悩みは、「我が子はできないことがあると、すぐにかんしゃくを起こし、手をつけられない。今のところひらがなは一文字も読めない」とのことでした。

体験レッスン中も観察をすると、他のお友達ができるのに、自分ができないことが許せないらしく、レッスン中もずっとかんしゃくを起こしていました。

そんなお母さん達に話を伺うと、「ひらがななんて、放っておいても勝手に覚えると思ってて特に何もしなかった」と答える方が多いのです。

かんしゃくを起こすにもさまざまな理由があります。

しかし、自我が芽生えた後、できないことばかりを体験してしまうと、嫌になってしまうのは当然です。

一度嫌になるとそこから軌道修正するのは本当に大変です。

このように3歳以降自我が芽生え、自分の思い通りにならないことにかんしゃくを起こす子どもは少なくありません。

かんしゃくをおこされると親も辛いので、アメをあげたり、子どもが怒らないよう機嫌を取るようになるとより悪循環におちいっていきます。

そうなる前に、子どもの自立につながる一つ「文字の学習環境」を作り、普段から文字に目を触れることが多ければ、状況は大きく変わります。

実際、語彙が多い子どもは自分で気持ちを表現し、伝えることができるので、気持ちが安定しています。

では、いつから文字をおしえるべきなのでしょうか。

③いつから文字を教えるべきか

よく「ひらがななら私も教えられる」と意気込むお父さん、お母さんも多いのですが、教え込む必要は一切ありません。

逆に教えようとすると、親はついムキになり、親子共に楽しい時間ではなくなってしまいます。

教えたりプリントをやらせるより、赤ちゃんのときから環境を用意することが一番のポイントです。

そして、普段の生活の中で、

  • お友達にお手紙を書いてみたい
  • 自分の好きな恐竜の名前が知りたい

など、もじに興味を示したら教えてあげましょう。

子どもの発達や興味などのタイミングに合わせることが一番ですが、興味を持ってもらうには、普段の生活の中でいかに文字にふれる環境があるかがとても大事です。

子ども達は普段の生活の中で文字にふれる環境があり、初めて興味を示してくれます。

詳しくは下記リンクをご参照ください。

まとめ

小さい頃から一生懸命文字を教え、人よりも早くひらがなが読めて書けても、小学校2年生、3年生になると、その魔法は消えてしまいます。

人よりも早く何かをできることに目標を設定せず、子どもが自分の世界を広げるために、もじに触れる環境を大人が用意してあげましょう。

教え込むより、興味を持ったときに、子どもが一人で学ぶプロセスを作り上げた方が、長期目線でみた時に大きな効果が期待できます。

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