子供にはいつから絵を教えればいいの?年齢別目安と進路

仕事柄たくさんの親から「子どもにはいつから絵を教えればいいのでしょうか。私は絵が得意ではないですし、何を与えたらいいのでしょうか」と質問をいただきます。

結論からお伝えすると、1歳を過ぎたころから絵を描く環境を与えてあげましょう。

絵を描くにあたって親が特段何かを教える必要は一切ありません。

しかし、子どもの年齢と発達によってできることが異なるので、ここでは年齢に適した遊びや目安、用意した方が良いものをまとめてお伝えします。

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執筆者

いくみん先生

自身の留学経験をもとに英語教室・学習塾を立ち上げる。結婚・出産を経てバリバリ働きながらの自身の育児に悩む。

常にイライラし子どもに八つ当たりをする毎日から変わろうと子どものことを学び始めたところ育児が楽しく、そして楽になった。

その経験をもとに幼児教室を立ち上げ、これまで約50年、5万にを超える親子を指導。現在これまでのノウハウを体系化し、すくベビ主催パパとママのための子育てスクールをオンラインて提供中。

著者に『子育てに成功するお母さん、失敗するお母さん』(文芸社)などがある。

(noe:【すくベビ主催】子育てスクール生実績

目次

①1歳児の場合

1歳児はまだ手や腕を上手に動かすことができません。

そのため年齢にあった筆記用具を用意しましょう

①1歳児におすすめの筆記用具

子供は1歳を過ぎると、ママが使っているペンに興味を持ち、ありとあらゆる所にいたずら描きを始めます。

1歳児の握力は弱いため、握りやすく、発色の良いクレヨンを用意しましょう。

クレヨンは素材がやわらかく、どの角度でも描けるため、子どもにとっておすすめの筆記用具です。

ただし中には手が汚れると、汚れにばかり気が奪われてしまう子どももいるので、すぐに拭きとれるように濡れタオルを用意すると勝手がいいです。

子どもにとってマジックペンも描きやすく、色が濃いため子どもにはおすすめです。

親が手を添えて、一緒にマジックペンを使ってお絵描きをしても良いでしょう。

マジックペンはいたずら書きをすると消すのが大変なため、ベビーチェアなどに子どもを固定してから与えましょう。

長時間のベビーチェアの使用は、体の発達面から考えるとおすすめしませんが、絵を描く程度の時間であれば使用しても問題ありません。

②1歳児におすすめの絵の書き方

この時期は手を上下に動かすことが大好きな時期です。

その特性を利用し点々をたくさん紙に書かせましょう。

また殴り書きも大好きな時期です。

クレヨンを持たせて、点々を描いたり、好きなように殴り書きをすることは赤ちゃんの想像力を伸ばしたり、手先や腕をコントロールする練習につながります。

特定のものを模写したり描いたりすることは当然できませんが、好きなように描く経験をこの時期から積むことで、新しいことに恐れず挑戦する力にもつながります。

紙からクレヨンの線がはみ出たり、机を汚すこともありますが、ベビーチェアに座らせ、活動出来る範囲を決めることで、親の負担も少なく、子供も楽しむ事が出来ます。

また、線を描く以外にも手に絵の具を付けてペタペタ・グチャグチャと描かせることもおすすめです。

絵の具を混ぜたり、紙の上で伸ばして広げることは子どもの感性と五感を刺激します。

②1歳6ヵ月の場合

今までは運動としての作画でしたが、1歳6ヶ月を過ぎたころから手先や手首の動きの幅がj広がり、丸らしき形や、ギザギザの線を使ったなぐり描きを始めます。

また上手にお話ができなくても親の言っていることが理解できる時期になります。

この時期は自由に絵を描くことも楽しいのですが、右から左への直線の練習や、〇を使ってふんわり描く練習がおすすめです。

上手に絵を描くことを目的とせず、楽しく絵を描く経験を積むことや、実際に自分でさまざまな形を描いてみて「こんな形もあるんだ」という発見をさせるために練習しましょう。

絵を描くことは目と手を上手に使う必要がありますが、この時期の子どもたちにとっては難しい動作です。

明らかな形で無くても描けた事を一緒に喜ぶ時間にしましょう。

①この時期の絵のふれあい方

丸、三角、四角の中を塗って形の確認をしていきます。

親が手書きで構いませんので、少し大きめの丸を描き、その中を塗ります。

はみ出して塗っても構いません。

手を縦や横にたくさん動かし、経験を積んでいきましょう。

また、ふんわりやうずまきなど手首を使った動きも経験したい動作の一つです。

②その他おすすめの遊び

2歳前後からハサミを使った活動や、2歳6ヶ月からは鉛筆の練習も始めましょう。

また、あやとりや折り紙なども手と目の両方を使い、手先を繊細に動かす練習につながります。

たくさん取り組みましょう。

③2歳6ヶ月から3歳の場合

2歳6ヶ月から3歳ごろになると、描く形が明確になってくる時期です。

子どもが興味あるものを自分で描きたい、表現したいという気持ちが強くなってきます。

例えば、電車やお母さんの顔などを描く子どもが多いです。

乗り物や人の顔には形の基本である丸、三角、四角が揃っており、子ども達の絵の興味をそそります。

毎回同じものを描く傾向がありますが、何度も繰り返しながらバランスが調整されていきます。

①この時期の教え方

個人差はありますが、2歳後半から3歳にかけて、子ども達は〇を上手に描けるようになってきます。

しかし、斜め線や角のある形は子ども達にとって難しい形です。

そのため、三角を描いたつもりが、丸になっていたということも多いです。

そんなときは焦らず、ママ・パパが点を描き、点同士を結ぶ練習をおすすめします。

この時期に、丸・三角・四角形の基本が描けるようになると、今後ひらがなを書くときにも、丸めるもじ「る・あ」や、角のある文字「く・か」などもスムーズに認識し文字を描けるようになります。

④3歳後半からの場合

この時期になると、子どもは知っている物を描きたくなります。

観察力や記憶力などの能力も発達し、経験値も上がってきます。

子ども達に説明されなくても何の絵を描いたのかがわかるレベルの絵が描けるようになります。

ただ、物の大きさの感覚能力が未熟なので、例えばママよりもリンゴの方が大きく描くこともあります。

しかし、指摘せず描いた絵についてお話を聞いたり共感することで、描くことの楽しみを感じさせてください。

たくさんの子ども達の絵をみてきた私の経験からすると、この時期の絵が独特で一番かわいい絵を描きます。

①この時期の教え方

ひし形や楕円など、斜め線や曲線を含んだ色んな形の線描きを進めましょう。

また、もっと高度にはなりますが、1回で描き切ることができる一筆描きで、さまざまな星の書き方を教えてあげても良いでしょう。

⑤5歳からの場合

この時期になると、子ども達は生活の中の一場面を切り取ったかのような絵を描く時期になります。

それは成長に伴った経験値が積み重なって記憶され、絵に描いてみようという好奇心に結び付いたからです。

絵のバランスも整います。

ここに、感情表現もプラスされて、笑っている顔や泣いている顔などを描くようになります。

また人や犬、花や太陽のように意味を持った形を表現するようになります。

①この時期の教え方

クレヨンだけでなく、クレパスや絵の具を使ったダイナミックな絵に発展させましょう。

この時期は、家庭で過ごす時間より園で過ごす時間が長いです。

園での作品集も成長の証として見返せますが、子供が自分の好きな絵を好きなだけ描く時間も大切にしましょう。

休みの日にじっくり時間をかけて、絵の具を渡して、段ボールをキャンパスにして描いて見るのもストレス発散や達成感に結び付きます。

⑥注意点

子どもが何かに集中しているときは、声を掛けないでください。

子どもはものすごい集中力を発揮しながら取り組んでいます。

親が一度話しかけてしまうと、その状態に戻るのに時間がかかったり、興味がなくなってしまいます。

また、頭の中でいろいろと発想していたことも、親が話しかけることで消えてしまいます。

注意をしましょう。

また、親は子どもが絵を描くと思わず「これはなに」と聞きたくなりますが、問い詰めたり質問することは避けましょう。

もし子どもが「これりんごなんだよ」「これママだよ」と言ってきたら、「そうなんだね。これはりんごなんだね」「ママなんだね」とオウム返しをしましょう。

必要以上に感想をいう必要はありません。

まとめ

絵を描くことは自己表現の現れです。

言葉にならない気持ちを描く作業を通じ、絵として表現できるので、子供の発達を確認出来る遊びです。

色を使うことは色彩感覚を養いますし、色の持つ意味で心の中をうかがう事も出来ます。

この時期は正しく物事を捉え、精密に絵を描くことを目的とせず、絵を描くことが楽しいと思わせる時間をたくさん経験させましょう。

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